強迫性障害の症状に日々悩まされますが、その中でも今日は強迫性障害からくる記憶に関してのお話をしたいと思います。
強迫性障害と記憶
仕事中の出来事
私は以前仕事中にこんなことを経験しました。
私は当時その会社で働いて1年以上が経っていました。
その時私は時間厳守の大事な資料作りをしていて、その中には計算して数字を出さないといけないものもありました。
でも既に強迫性障害になっていた為に仕事中は不安だけが頭を支配して確認を繰り返して終わりが見えませんでした。
時間は迫ってきていましたが、私は他の人に助けを求めることも出来ずにいました。
周りの人には病気のことは伝えていないし、口が裂けても小学生でもできるような計算を何度やっても分かりませんなんて
とても言えませんでした。
不安と確認ばかりを繰り返していたせいで数分前にやった自分の仕事も覚えていませんでした。
どうやってこの計算をしたのか、どこまで仕事をしたのかも分からなくなり確認をすればするほど頭は混乱し不安をただ煽るだけでした。
結局この時は時間に間に合わず、本当にみんなに迷惑をかけてしまいました。
曖昧な記憶
このことをきっかけに頭に病気があるのかな?とも心配になりましたが脳には何もなく正常でした。
数字が合っているか分からない、何回やっても仕事が進まない…
こんなことを言えばただの仕事の出来ない人として見られるだろうと怖くて言えませんでした。
大人になっても簡単な計算ですら確認に追われ前に進めません。
そのことで恥もかいたし、周りにも迷惑をかけてしまいかなり落ち込みました。
同じような経験をされた方はいますか?
これは強迫性障害と分かっていても、まだ判明していなくてもかなり自尊心が傷つく経験だと思います。
度が越えた確認の仕方を繰り返しているので、記憶が曖昧になり頭がごちゃごちゃになります。
その結果自分はこんなに時間を費やして何をやっているのかも分からなくなってしまいます。
いったりきたりを繰り返し自分の記憶を辿っては「ほんまにこれで合ってる?大丈夫?」という自問自答をして
結局また一から確認に戻るというような感じです。
あまり知られていない病気だからこそこれを聞いた方もピンと来ないし、理解が難しいのかなと思います。
それって発達に問題があるのでは?とか単なる気にしすぎとか単純に仕事ができないだけと思われたり。
私は伝えた後のことを色々想像してしまうから、言うことを避けてきました。
あなたの記憶が曖昧なのは強迫性障害かも
私は強迫性障害になって6年が経ちました。
日々の中でドアの戸締りや目覚ましの確認、何度も手を洗う、そんなことに時間を費やしてきました。
さっき確認したのに…3秒前に見たドアの鍵が閉まっている光景も目覚ましの設定をした画面も上手く思い出せません。
それは長年の間に体に染みついていて何度も確認しなきゃという気持ちに囚われているからです。
ドアの鍵を閉めて「よし、これでOK!」とドアに背を向けた瞬間に「いや、やっぱ開いてるかも」と不安がよぎります。
見てみるとちゃんと閉まっていますがまた背を向けた瞬間に「もう一回確認せんでもほんまに大丈夫なん?」と
私の頭の中の悪魔がささやき不安を煽ります。
これを何十回としているとあっという間に5分は過ぎています。
何故このような気持ちになるのか、人より不安のセンサーが広くちょっとしたことでも反応してしまうのですがこれを何故かと言われると表現が難しいんです。
いつの間にかこの不安を抱えていたし、強迫行為も繰り返していました。
自分ではコントロールができない病気
強迫性障害は気持ちの問題でどうこう出来るものではありません。
たまに、そんなんただの気持ちの問題とか自分で調整すれば良いだけの話、ただの心配性と言われているのを聞くと
悲しい気持ちになることがあります。
こんなふうになってしまった自分が悔しくて悲しくて情けない気持ちが入り混ざっていました。
同じように強迫性障害で悩んでいる方に言いたいことは「あなたが悪いんじゃない」ということです。
原因もはっきりしていないし、日常生活のふとした瞬間に出てきた不安が今ではこんなにも大きくなるんて予想もできませんでした。
だから出来ない自分を、病気になってしまった自分を責めないでください。
「あなたが悪いわけではないから」
今まで辛かったよね、しんどかったよねと自分に優しい言葉をかけてみてください。
これからも私は私、あなたはあなたで生きていきます。
ずっと責めたり、悲しい気持ちでい続けるのはきっと胸が張り裂けるくらい苦しいはずです。
でも強迫性障害だから人生全てが苦しい、なんてことはありません。
病気になっても人生は楽しめるし自分は自分のままで今のままで良いんです。
長い治療や向き合わないといけない時は辛いかも知れませんがこの病気で苦しんでいるのはあなた一人ではありません。
自分が楽しく安心して過ごせるような環境をどんどん作っていきましょう。
あなたが少しだけ視点を変えれば、この病気に対する気持ちや考えが変わってくるかも知れません。