パニック症になってから11年が経ちますが様々な経験をしてきた中である思いがずっとありました。
それはパニック症に対する偏見や理解されにくいところがあるということです。
今日はなぜそう思うのかお話しようと思います。
パニック症への偏見
パニック症になるのはストレスに弱い人?
みなさんは日々の生活の中であらゆる場面でストレスだなーと感じることがあると思います。
何にストレスを感じるか、ストレスを感じるとどういう症状が出るかは人それぞれだと思います。
パニック症を発症するのもこのストレスが大きな原因と言われています。
でもストレスを感じていても、発症する人しない人がいます。
それは何が違うのか、どこにその違いがあるのか考えたことがありますがそのはっきりとした答えはないように思います。
色んなところでもストレスが大きく関係していると言われていますがはっきりとした「これ!」という理由はないようです。
しかし、こんな風に考える方もいるかもしれません。
「今の時代ストレスなんかあって当たり前。みんなストレスを抱えている」
だからこそあなたがパニック症になるのは心が弱いからとか人間として不足している部分があって
みんなよりも劣っているから病気なんかになるという考えです。
また気持ちが弱く自分で「私は病気」と思うからしんどいだけとか自分が病気と思わなければそんなものは病気でも何でも
ないというような考え方です。
結論から言うとこれは全くの間違いです。
パニック症を発症する人は決して人間として弱いから劣っているからなるのではありません。
これは本当に大きな間違った見方なんです。
パニック症が理解されない苦悩
人それぞれ考えがあるし、意図的に人を傷つけようと思って発した言葉ではないにしても自分が知らず知らずの内に
相手を傷つけていることがあるかもしれません。
それはどんな場面や状況でも言うことができます。
私たちパニック症の人間からするとそのことを否定されたり、受け入れてもらえないことに傷ついてしまいます。
励ましや優しさのつもりで「考えすぎ!あんまり気にせんとき、病は気からやで」というような言葉はよく耳にします。
もちろん気持ち次第で色んなことが変わってきますし私自身も予期不安を防ぐには自分の気持次第だと感じる時があります。
ですが他人から言われるのと自分自身で思う気持ちの問題という考え方には大きな違いがあり完全に別物です。
現に病院でパニック症であると診断されています。
そして十何年とこの病気と向き合い付き合っています。
それをただの気持ちの問題と言われてしまうのは本当に悲しく感じますし傷つくこともあります。
今ではパニック症であるということを含めてそれが自分です。
そしてその割合は自分の中ではかなり大きいものです。
なのでそれを否定されると自分がこのままの自分でいてはいけないような気持ちになるし
パニック症である自分としては存在してはいけないような気持ちになってしまいます。
今ではかなりの確率で完治できると言われていますがそれは長く厳しい道のりだと思っています。
これから多くの時間をパニック症と共に過ごし、パニック症の私として生きていくことになります。
今では自分からその事実を切り離すことはできません。
パニック症への理解
パニック症は決して特別な病気ではありません。
限られた人だけが発症するという病気でもありません。
私たちの日常に潜んでいてある日突然それがやってくるのです。
一時期芸能人の方が多くパニック症であると公表していたことがあるのでもしかすると一部の方の中では
表に出てお仕事をされている人たちだからこその悩みやストレスからパニック症を発症すると
思われている方もいらっしゃるかもしれません。
ですが全くそんなことはありません。
本当に誰に起きてもおかしくはなくて、その可能性はいつだって私たちのすぐそばにあります。
このように私がパニック症について話すことはもっとたくさんの人にこの病気を知って欲しいという思いがあります。
「えー、なんかかわいそう…」とか「大変そう…」みたいな同情をされたい訳でもなければ
私は病気だから特別扱いして欲しい!という訳では全くありません。
ただパニック症という病気が存在して誰にでも起こる可能性は大きいということや
私たちがパニック症になってから何に恐怖を感じたり、どんなことが今までと同じように出来なくなってしまったのか
それを知って欲しいという気持ちがあります。
ただ知ってもらうことだけでも大きな違いがあるし、パニック症を理解してもらえているその事実が
私たちにとって大きな安心感や自己肯定にも繋がるのです。
ただパニック症という病気を正しく知って欲しい、それだけなんです。