強迫性障害を抱えながらの仕事って正直不安だらけの毎日です。
今日はそのリアルな日々をお話したいと思います。
初めて強迫性障害という言葉を知った
強迫性障害の始まり
私が一番最初に異変に気づいたのは仕事中のことでした。
その日も何の変わりもなくいつもと同じように仕事をしていました。
ふとした時にペンを落としてしまいそれを拾おうとした時今まで感じたことの無い感覚がありました。
床に落ちたペンが汚いのではないか?という気持ちから拾うのを躊躇してしまいました。
そこはみんなが土足で歩く場所だったので様々な場所に行った靴で歩いていると思うと少し抵抗がありました。
そう思いながらもその時は拾うことが出来ましたが今度は手が汚れてしまったのではないかと不安になりました。
一度気にし始めると止まらなくなり、最終的には手を洗いに行きましたがそれで終わりではありませんでした。
一回洗った後に「まだ汚いかも…」というような気持ちになり何度か手洗いを繰り返しました。
何でもない日常の中の小さな異変ですがこれが後々に私を大きく苦しめました。
その日以来自分の手がいつも清潔かどうかをとても気にするようになりました。
これが強迫性障害の始まりとはこの時は知る由もありませんでした。
強迫性障害を知ったきっかけ
自分の手が汚いのではないか、床に落ちたものを拾うことに抵抗がある…
一体何故いきなりこんな感情が出てきたのだろうと不思議でたまりませんでした。
その頃同時に別の異変も感じていました。
私は幼い頃からヒステリー球という症状が不定期でやってきます。
ヒステリー球とは喉がつかえたり、つまったり、イガイガしたりする喉に起こる症状の事です。
ヒステリー球も突然やってきますが、この時期は頻繁に感じるようになっていました。
自分で考えても原因は分からないし手の汚れが気になって何回も手を洗うなんていう症状はどこで診てもらえば良いのか
さっぱり分かりませんでした。
そんなある時友だちと話していてこの事を相談してみると「それ強迫性障害かも!心療内科に行ったほうがいい!」と言ってくれました。
正直私は「…強迫性障害?心療内科に行くの?」と混乱していました。
その後自分でも調べましたがかなり症状が当てはまっていて半分確信を持ちながら心療内科に行きました。
「強迫性障害ですね。お薬出しますね。」先生がそう静かに言ったあの時のことは忘れません。
まさか自分が心の病気になるなんて一切思ってもみませんでした。
ここから長い長い強迫性障害との付き合いが始まりました。
強迫行為の毎日
強迫性障害は度を越した強い不安や恐れが常にあってそれを払い除けることが出来ません。
その不安や恐怖を消すために何度も同じことを繰り返しすることを強迫行為と言います。
私に一番最初にやってきた不安は手の汚れであり、何度も手を洗うという強迫行為でした。
次に私を苦しめたのは数字でした。
計算したり、数を数えるだけの何も難しくないことでしたが私はそれが合っているのか不安で何度も繰り返していました。
そんな時問題が発生してしまいました。
時間厳守の仕事で絶対ミスもできない状況の中私は時間内に仕事を終えることが出来ませんでした。
もちろんそんなことは今までに無かったことです。
その時私は不安だけが頭を支配して確認してはまた確認して終わらない状況でした。
しかし時間は迫ってきて余計に焦りから確認が増え訳が分からなくなっていました。
結果的に周りの人にかなり迷惑をかけてしまいましたが、私はどうすることも出来ませんでした。
この時周りの人には私が強迫性障害であることは伝えていませんでした。
自分が強迫性障害であると告白することを恥ずかしいとか迷惑をかけるという思いから伏せていました。
それに簡単な計算式でみんなが出来ることなのに自分だけが分からないなんてとてもじゃないけど言えませんでした。
私はその時不安や恐怖で頭がいっぱいで数分前にした自分の仕事も覚えておらず自分は無責任だと責め続けました。
強迫性障害は常に不安や恐怖を感じそれを消すために同じことを繰り返します。
当時の私も同じことを何度も確認してそれを繰り返すしかありませんでした。
周りの人が当たり前に分かること、出来ることも私は10回やっても20回やっても出来ずに前に進めない状態でした。
仕事への不安
私はこの日を境に仕事することをとても怖いと感じるようになりました。
仕事が出来ないことで周りの人に迷惑もかけるし、自分自身がとても恥をかいたように思ってきました。
最初に伝えておけば良かったのかもしれませんが私には強迫性障害という病気をうまく伝える自信がありませんでした。
「このまま私ってもう仕事できひんのかな…」という不安が押し寄せました。
自分に出来ることは何なのか、簡単な仕事でさえこなせなかったあの出来事は深い傷になりました。
強迫性障害の原因は詳しく分かっておらず、ストレスからくるものではないかと考えられています。
こうならない為に対処法はあったのか、実際は突然やってきた病気をどうすることも出来ませんでした。
いつも思ってしまうのは自分が強迫性障害じゃなかったらもっと楽に生きられるのではないかということです。
無いものにフォーカスしてしまい、自分を否定したりしてきました。
でも強迫性障害ではなかったとしてもそれはそれで他に悩みや不安はあるはずです。
何かを恐れたり不安になったり、その感情はずっと何かしらに対して感じていくものなのだと思います。
なので出来ないことではなく今自分が出来ることにもっとフォーカスしてください。
どんな小さなことでも良いですし全ては当たり前ではありません。
朝早く起きること、ご飯を作り食べること、仕事をすること全て当たり前ではありません。
自分は何も出来ないと責めたり不安になった時は自分が出来ることを何でも良いので見つけてあげてください。
強迫性障害を抱えながらの仕事はかなり厳しい時もあります。
何度も同じところでつまづいて確認ばっかりしていて仕事が進まない時もあります。
だからといって自分に出来る仕事は一つもない訳でもありませんし、きっと自分に合った仕事というのはあるはずです。
強迫性障害だからといって自分を責めたり恥ずかしいという思いがもしあるのなら手放してみてください。
なってしまったものは仕方ないですし、私は今では強迫性障害は私の一つの個性だと思っています。
長い付き合いになるのであれば嫌うよりも仲良く出来る方法や上手な付き合い方を見つける方が自分が傷ついたりしません。
心の病気を抱えていても全く選択肢がなくなってしまう訳ではないので自分に合った生き方を見つけて行きましょう。